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軽度自閉症の子を持つ母の日記

3歳で軽度自閉症と診断された息子を育てています。

寂しかった母子の話

自閉症の子は五感の異常があるとされます。さてうちの息子はというと、思い当たるものがなにもありませんでした。つまりすぐ気がつくような、過敏で困るようなことがなかったのです。自閉症の診断がついて、自閉症について調べだしてから、心配になったことの1つです。気づいてあげられなかっただけで、本当はものすごく本人苦しんでいるのだとしたら可哀想でならない。それともこれから出てきて苦しむのか。

という話を今日、区の担当の方と病院の医師と、それぞれとしてきてですね。医師によると、そういう五感の異常があるかないかの検査はできないらしい。そして区の担当の方が言うには、敏感なのはわかっても鈍感なのはわかってあげにくいですよね、と。ただ扇風機とか回るものが好きなのは、やっぱり鈍感だから刺激を求めてのことかもしれませんね、と。視覚からの刺激を求める行動として目を叩くは知ってたけど、扇風機になんで考えが至らなかったのだろう。ああやっぱり鈍感だったのねと、わかりました。

そして思い出すのは、私はずっと寂しかったなということ。この子が赤ちゃんの頃、なんだか遠いなという印象があって、寂しかったのです。抱っこしてもおろしても反応が薄くて、薄いだけで反応しないわけではなかったから、布一枚隔てたような、実際の距離より遠いなという印象があった。「私がお母さんなんだよ、知ってる?」と何度も問いかけて、その度に「わかってるに決まってるじゃない」といろんな人に笑われた。お母さんというよりはおばさんくらいのなつき具合な気がして。今でも、遠いなと感じることがある。その印象は本当だったんだなと、私は遠いと思っていたけど、息子にとっても私は、というか世界は遠かったんだなと思ったら、寂しさがぶり返してしまった。私はずっと寂しかったし、今でも寂しい。寂しいからぎゅっとしたら、やっぱり反応が薄くて、久しぶりに涙がとまらない。

息子も、感覚が過敏で常に苦しむのよりはマシなんでしょうけれど、実は今までずっと寂しかったのかもしれない。望んでないのにお腹から世界に放り出されて、それでも周りが遠くて寂しかったのかもしれない。ひょっとしたら寂しいということすら知らないほど遠かったのかもしれない。

療育が進めば感覚統合がされて、遠い感覚はなくなるのかな。いつかもっと近くにきてくれるのかな。寂しいな。